エクアドル:インタグにおける鉱山開発のための挑発
CODELCOFUERADEINTAG Carlos Sorrilla
2014年4月16日

4月10日、インタグの農民指導者ハビエル・ラミレスは、ホセ・セルラノ内相からのもとめによる会談ののち、自宅に帰る途中キト郊外で、逮捕令状もないなかで拘束された。数時間後になって逮捕命令が出され、現在はイバルラの刑務所に、反乱、サボタージュ、テロリズムの罪で収監されている。この事案はインタグの共同体員と国営鉱山会社エナミの従業員との衝突によるものである。衝突は4月6日に起き、エナミの従業員1人がチャルグアジャコ・アルトの女性1人から叩かれた。それはエナミの車両がスピードを出しすぎ、共同体の住人2人を軽くではあるが轢いたことによる。しかしながらこれらの出来事から負傷者はうまれていない。衝突のあいだにエナミの車両のフロントガラスが破損した。この衝突のあいだ、皮肉なことにこの日ハビエルは医者の命令で自宅で療養していた。ハビエルの弟ウーゴ・ラミレスにも逮捕命令が出されているが、いままでのところ拘束されていない。

この最近の衝突と、エクアドルの司法機関を使っての鉱山開発計画反対への犯罪化は新しいことではない。1995年に始まる鉱山プロジェクトへの抵抗は、日本の専門家の雲霧林の環境にたいして破滅的な影響を与えるという予想に基づいているがそれだけではない。それは大規模な森林破壊、数十の哺乳類、鳥類の絶滅の恐れ、重金属による川の汚染、犯罪の増加、4つの共同体が移転を強いられる。しかしそれだけではなく、もっとも被害を受ける共同体の基本的な権利が踏みにじられることにある。今日までに共同体の圧倒的多数の強い反対と組織によって、2つの多国籍企業を追い出すことに成功してきた。ビシメタルス(三菱の系列会社)[三菱マテリアル]とカナダのアセンダント・コパー社である。カナダ企業の恐怖の支配のあいだにも、それはフニンとチャルグアジャアルトの無防備な人々にたいして民兵を使い、反鉱山の1人の活動家にたいしてグロテスクな法的でっち上げまでおこなったのだが、抵抗をやめることはなくかえって強化されてきた。

2008年にアセンダントが出ていったのち、2012年の協定の調印によって、鉱山の悪夢がふたたび活動を始めることになる。これは地方の政府、共同体と相談することなく、エクアドル政府とチリ政府が合意したもので、コデルコ(世界最大の銅会社)が「エナミを助け」エクアドルの鉱山の探鉱と採掘をおこなうというものである。しかし住民たちの反対によって、コデルコもエナミも、採掘開始のための環境影響の調査すらおこなうことが出来ず、2年間遅れの状況にあった。

1996年以来毎年インタグの人々は郡と地方の人民議会において、鉱山開発拒否を明らかにしているにもかかわらず、エナミがコデルコの支援を受けるという協定を結んでから、かれらは「社会的認可」という言葉や共同体の許可があると、インタグ地方に生産のために入り込んできた。かれらはいくつもの共同体でその進出を拒否され、とくに鉱山プロジェクトの影響の大きい共同体においてはそうであった。しかしながら鉱山プロジェクトの影響を受けないいくつかの共同体からは、重要な情報を与えないなかではあるが、プロジェクトの社会化に成功してきた。

われわれは現在、このような状況のもとにある。政府はプロジェクトへの反対運動を犯罪にしようとしている。この地球上でもっとも生物多様性の豊かな森の一つを脅威にさらして。農民共同体が大規模鉱山開発にたいする回答として、より連帯し持続可能な経済の構築のための道を進めているなかでである。日陰におけるコーヒー栽培、共同体の小規模水力発電、公正な商業、エコロジー・ツーリズム、これらは共同体がオルタナティブなものとして進めているいくつかにすぎない。

これらに加えて危険なのは、この政府が進歩主義と見なされ、兄弟諸国から今日左翼政権の一つに数えられていることである。

ブログ「ラテンアメリカの政治と経済」2014-04-19より


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