エクアドル政府が知られたくない9つの抵抗する共同体
ballenitasi.org
2014年6月3日

エクアドルは現在、その歴史のなかでも、鉱山と石油にたいする開発主義によって、共同体は最悪の危機のなかにある。
最近の数か月になって、エクアドル政府はシェブロンーテキサコから被害を受けた共同体を熱心に支援するようになったが、かれらは20年以上にわたって抵抗を続けてきたのだ。はっきり言えることは、この同じ政府が、それ以前の政府と同様に、あるいは似たような戦略を取っているとして、他の共同体からその開発主義を告発されていることである。いくつかのケースにおいては、政府の最後の政策は、「戸を蹴破って入る」ようなものだと理解されている。
続いて紹介する9つの共同体は、抵抗を持続しているところで、エクアドル政府が知られたくないところである。これらすべてのプロジェクトは、そこに住む人々にたいして、強い環境的、社会的、経済的打撃を与える。

1.ジャンチャマ、ヤスニ国立公園、オレジャノ県
この共同体は3年間にわたって、ペトロアマソナス社が石油採掘のために公園に進入しようとすることに反対している。
ジャンチャマとして知られるこのヤスニにおける抵抗の拠点にたいして、中央政府はこの数年間すべてのことをやってきた。先住民が共同体を組織する固有のシステムを変えることから、不可侵のエリアを除く公園すべてを、石油開発のためのブロックを設定することまで。それは抵抗を持続する共同体にたいして、採掘のために進入することを可能とするためであった。その数か月前から、共同体はペトロアマソナスによって欺かれたと告発をおこなっていた。
2014年5月、環境省は原油採掘を許可することに署名をおこなった。共同体はこの布告に反対し、先祖伝来の土地所有の権利証書を要求している。
ヤスニ国立公園、ジャンチャマ共同体はペトロアマソナス社を告発する。

2.インタグ、インバブラ県
この共同体は長年にわたって、鉱山の利益のために組み込まれることを阻止すべく抵抗を続けている。
銅と金のためにこの地域に入ろうとする会社、たとえば三菱、アセンダント・コッパー社、9つの続いた政権にたいして、インタグは抵抗を続けてきた。共同体にたいする被害のなかには、先住民指導者への迫害、攻撃、脅迫、刑務所への収監が含まれる。現在の政府は、天然資源省によってインタグ地方の入札をおこない、ENAMIEPにプロジェクトをおこなわせることを通じて、なんらかの私企業が採掘をおこなうことが出来るようにしようとしている。
現在共同体は抵抗のなかにある。2014年5月16日、450人以上の警察が共同体に入り、共同体は封鎖された。旅行者たちは追い返され、インタグ共同体の抵抗を支援するものたちが共同体に入ることは許可されない。
2006年、共同体員はパラミリタレスとも対決した。

3.サラヤク、パスタサ県
サラヤクはかれらの土地を守る上で大きな成果を勝ち取ってきた共同体である。
サラヤクの場合、1990年代初め、その土地の石油開発を事前に住民の諮問にかけることなく許可したものだが、2009年12月ののち前進することになった。このとき米州人権委員会(CIDH)が報告書を発表、エクアドルがサラヤクの人々の生命、身体、財産、法的保障などの権利を侵害しているという内容であった。
CIDHはエクアドル国家にたいして一連の勧告をおこなったのだが、これらは実行されていない。このようななかCIDHは、この問題を米州人権裁判所に2010年4月に提出、この国際機関のなかで勝利した。
サラヤクは最近、3人のエクアドル市民についてコレア政府から「政治的迫害」を受けているものと評議会[CG、共同体のか]が見なし、これを守る決定をおこなった。政府はこの決定を批判している。この間、住民にたいする抑圧、攻撃がおこなわれており、かれらは政府からパラミリタレス[民兵]呼ばわりされている。さきの評議会の会期が終わるにあたり、これは最近選出されたものだが、記者会見をおこない、いわれている人物はこれ以上、かれらの土地にはいないと言明された。

4.サンタ・イサベル、フゴネス、アスアイ県
2014年5月22日、サンタ・イサベル、フゴネス、そのほかのアスアイの郡の共同体代表たちは、水、環境を守り、鉱山開発に反対するための行進をおこなった;かれらはいくつもの人民の闘いを支持しているが、かれら共同体員は、かれらの土地を守る闘いのなかでの指導者たちにたいする迫害を批判した。
かれらの農業は、数千ヘクタールの鉱山開発の許可によって脅かされている。

5.パンギ、サモラ・チチペ県
「サモラのパンギ郡の二つの教区における住民とのあいだの土地をめぐる紛争は、ミラドル鉱山プロジェクトの前進にとって障害となっている」。
現在の政府は、このように最優先プロジェクトの一つに位置付けている大規模鉱山開発にかんして述べている。家族たちはかれらの土地を安価で、あるいは不当な値段で売却するように圧力をかけ続けられている。
「ミラドルにおける銅の採掘は、国家にとって5つの大規模開発の一つに数えられる戦略的なものである。これは中国企業のエクアコルリエンテ社(ECSA)が請け負っており、25年間にわたる採掘契約を締結している。ミラドル・プロジェクトには、20億ドル近い投資が見込まれている」。
このプロジェクトに資金供与している中国の銀行[複数]は、自国の政府の「信用の緑の指針」を尊重せず、規則に違反していると告発されている。この指針は社会環境影響の調査、規則の順守、国際的に善良な行動などを定めているが、資金供与を受けている企業は、これらを守ってはいない。
2014年5月、この会社は近くの学校、教会を採掘プロジェクトを進めるために取り壊したが、一方でかれらの労働者たちが会社のキャンプを占拠したと告発をおこなっている。
多国籍企業労働者たちは会社から告発されている。

6.ドゥレノ(コファン民族)、スクンビオス県
1980年代半ばから、その汚染と文化の破壊によって、もっとも被害を被った共同体の一つであるが、いままた同じ形態の石油採掘を、かれらの土地が受け入れるようにという圧力を受けている。石油企業からの圧力と騙しは、たとえばもっとも年老いた人々にたいして食べ物を与えたり、事前の諮問がおこなわれるまさにその時に贈り物を与えたりなどである。こうした行動にたいして反対を表明する共同体員にたいしては、共同体員が受けるであろう利益からかれらを排除するなどの制裁をおこなっており、現在これらのことが告発されている。

7.モンピチェ、エスメラルダス県
もっとも自然が美しいビーチの一つであるところが、また鉱山会社による進出にたいする抵抗の場所ともなっている。グラン・ナシオナル・ミネラ・マリスカル・スクレ社が事業を請け負っており、そのプロジェクトはチタン鉄鉱の採掘のために、黒砂に穴をあけるものである。
ウミガメなどの生存が鉱山開発によって脅かされている。

8.サン・パブロ・デ・アマリ、ボリバル県
サン・パブロの共同体は10年間にわたって、水力発電プロジェクト、現在のラファエル・コレア政府に抵抗を続けている。
水力発電の建設によって、74以上の共同体が影響を受けることになる。
住民たちは警察だけではなく、軍隊とも衝突をおこなってきた。共和国大統領府代表とされるものからの人々にたいする告発がおこなわれている。同時にそのほかの共同体においても、共同体を守るものたいするいくつもの訴訟への抵抗がおこなわれている。
しかしこの国の別の地方の共同体の事件と同じやり方で、かれらはサボタージュ[公務執行妨害に相当か]、テロリズムで告発されている。それは事実とは正反対のことで、このことにより大きな抵抗を生むことになっている。
コレアの訪問によっても、共同体は水力発電に反対している。

9.キムサコチャ、アスアイ県
キムサコチャの地域は塩水沼の地であり、現在死火山となっている火山と豊潤な川、小さな湖をともなっている。現在採掘は進んでいる。
共同体の心配は、ロマ・ラルガ鉱山プロジェクト(カナダ企業、INVメタルズが契約)によって重大な環境破壊がおこなわれることである。すでにこのパラモ[非耕作地]は繊細な状態にある。キムサコチャの塩水沼は、川に供給され、それはパウテとフボネスの流域へと流れていくのだが、これが汚染される危険性が存在する。
キムサコチャの塩水沼、川へと豊かさを運ぶ。

エンガバオの事件、グアジャス県
エンガバオの共同体は、この数年間、ファブリシオ・コレア(ラファエル・コレアの兄弟)によって蹂躙されてきた。
このため共同体は、これらの土地が自身に属していること、しかし恒常的な脅迫のもとにあること、そして共同体の土地を守ることを強く表明してきた。
2014年5月、ファブリシオ・コレアの圧力にたいして、共同体の抵抗は続いている。コレアは自身の会社、カンビボを通じて圧力をかけているが、この共同体によってエンガバオから追放された。(N0971)
エンガバオの共同体は漁業が中心であるが、観光業にも取り組み始めた。


ブログ「ラテンアメリカの政治経済」2014-06-06掲載より


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