アクシオン・エコロヒカ声明 エクアドル政府、アマゾン鉱山開発のために非常事態宣言
アクシオン・エコロヒカ
2016年12月18日
ラファエル・コレア政権は、2007年ダジュマの事件以来、人民と自然にたいして不寛容の姿勢をしめしてきた。そこでは農民たちは、石油企業が約束を守らないことにたいして抗議行動を続けていた;企業は‐会社自体は変わっても‐何年にもわたって住民たちを踏みにじり、生活手段を破壊し、アマゾンのエコシステムを壊してきた。

抗議行動がおこなわれたとき、これを受けた会社はペトロエクアドルであった。これは国営企業で、少しのちに多国籍企業シュルンベルジェと、アウカ村での操業のために協力することになっていた。

このときダジュマの事件に関して、コレアはその言明で、このように犯罪化した:「・・・エコロジストたちはゆすり屋である。共同体は抗議しているのではなく、テロリストのグループである。ロマンチックな環境保護主義者と幼稚なエコロジストたちは、政府を不安定化させようとしている。・・・無政府主義は終わった。国の発展に反対しているものはすべてテロリストである。騙されてはいけない。政府はこれらすべての背後に誰がいるのかを捜査している。政府は石油と鉱山の開発を止めることは決してない・・・」。

かれの任期が終わろうとしているとき、大統領は新たに人民と自然にたいする不寛容をしめすことになった。今回はコルディジェラ・デル・コンドル[コンドル山脈]である。シュアル民族は、かれらの聖地が破壊されるのを見たくはないと主張してきた。そしてあらゆる法的手段を用い、当局にたいしかれらの声を聞くようにもとめた。かれらの土地にかかわるのは別の多国籍企業である:中国企業エクスプロルコブレスS.A(EXSA)。

一番新しい毎週のエンラセ・シウダダノ[市民のつながり、コレア大統領の番組]は12月17日におこなわれたが、そのなかで大統領は先住民を貶めて言った:「・・・いまや反共民兵が、準犯罪グループが活動している・・・」。

争いのレベルは非常に深刻なものとなっており、1人の死者と何人もの負傷者がうまれている。批評家たち、社会運動の指導者、人権団体などは、この暴力は中央政府の側に責任があると指摘している。

モロナ・サンティアゴにたいする非常事態の宣言は、シュアル民族にたいする戦争の布告である。軍隊の進駐はかつて見たことのないものであった:戦車、ヘリコプター、装甲車などと数千の兵士、警官が展開している。カントン・サンフアンボスコ(パロキア・サンティアゴデパナンツァとサンカルロスデリモン)の家族たちの住居は、暴力的に家宅捜索がおこなわれている。多くの先住民、農民たちが逮捕され、かれらは殺人者であるかのように見せられ、推定無実の人権が除外されている。そのうえ内務省は50000ドルの褒賞金を発表し、この地方の人々のあいだに通報の波を引き起こしている。

エクアドルの人々は、自然との調和のうちに平和な暮らしをもとめてきた。しかし平和に到達するためには、それが持続的なものであるためには、山のような真実がもとめられている。わたしたちはコルディジェラ・デル・コンドルで何が起きてきたかを知る必要がある。そしてそのほかの多くの土地で、鉱山計画やその他の性格のものが押し付けられている所のことを。

国家監査総局(CGE)によると、コルディジェラ・デル・コンドルでは、サルサ野生生物保護区の境界が、フルタ・デル・ノルテ鉱山計画を進めるために、アウレリアン鉱山会社の申請によって変更された。また2008年には、鉱山への道路を開通させるために、エクアドル南部の森林の国定保護区の指定を除外させた。したがって当時の環境相が‐現在は議員であるが‐COA(環境組織法)で環境省が保護区の除外をおこなう権限(37条)を正当化、擁護したとき、注意を引くことはなかった。

コルディジェラ・デル・コンドルでは、先住民族への事前諮問は無視され、何が何でも最初の計画、露天掘りによる鉱山開発を押しつけた。憲法にはスマク・カウサイが提案され、自然との調和が条件づけられているにもかかわらずである。鉱山指令(MM)の適用は排除された。それは憲法制定会議(ANC)の決定として、ミラドル計画のように、水源に影響を与え、鉱山会社によって土地が占有されることは禁止されていた。自然の権利というものが認識されていたにもかかわらず、すでにその影響はドラマティックなものであった:黄色の泥水の川への排水が開始された。魚が死亡し、消化器系の病気があらわれ、とりわけこの地域に住む子どもたちのあいだに皮膚の異常があらわれた。

ラファエル・コレアの政府の時期を通じて、シュアル民族は喪に服した状態であった。2009年にはシュアルの教師ボスコ・ウィスムが殺害されたが、このとき先住民たちが捜査の対象となり、シュアル連盟の指導者たちが禁固12年の判決を受けた。それは死者の同志たちだったのである。2013年にはミラドル計画の近くを軍が作戦中、先住民のフレディ・タイシュが殺害されたが、これはいまだもって誰も処罰されていない。

2014年12月の初め、やはりコルディジェラ・デル・コンドルにおいて、鉱山に反対するリーダー、卓越した社会運動の指導者ホセ・テンデツァの遺体が発見された。ホセの身体は縄で縛られ、サモラ川で見つかったが、死因を究明する検査がおこなわれることもなく、その埋葬が命令された。異例なことに、その遺体が発見されて数日後、検事はホセ・テンデツァの自宅の家宅捜索を命令した。この家宅捜索にはエクアコリエンテ(ECSA)の社員が参加していたのだが、警察はホセ・テンデツァが所持していた鉱山会社の告発に関係する資料の提出を要求した。かれの家族と隣人は取り調べられたが、鉱山会社が捜査されることはなかった。国の説明は、現在とは非常に違ったものであった。

コンドルでは女性たちもまた攻撃を受けた。彼女たちは子どもたちを腕に抱え、強制立ち退きにされ、現在は不当な逮捕に立ち向かっている。コルディジェラ・デル・コンドルに関する真実委員会がもとめられている。そこではこの国の自然と人民にたいする攻撃が明らかにされなければならない。エクアドルの人々は、持続可能な平和を手放すことをもとめていない‐手放してはいけない‐。そのために違法性、権利が守られていないこと、権力の乱用を明らかにすることが必要である。

アクシオン・エコロヒカ

キト、2016年12月18日

[Accion Ecologica による] ブログ「ラテンアメリカの政治経済」より転載

(注) アクシオン・エコロヒカはエクアドルの環境運動グループ。


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